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カフェ・モーツアルト

ウィーンのカフェ文化はユネスコの世界遺産です。

特に帝政時代からの伝統を守り続けるカフェは特別で、立地条件、入り口の位置と形状、店内の雰囲気とサービスをするウェイターやウェイトレスの出で立ちと客あしらい等など多くの約束ごとにより成り立ってます。これの詳細は別の機会に譲り、今回はカフェ・モーツアルトの話です。

参照 ⇒ ウィーンのカフェ紹介

オペラ座の裏、ホテル・ザッハーの脇に有名なカフェ・モーツアルトがあります。ウィーンで一番の社交の場とも言える王宮劇場の脇に店を構えるカフェ・ラントマン系列のカフェです。

モーツアルト像はそこから数百メートル離れた王宮庭園内です。この像は帝政末期の19世紀後半にウィーンで活躍した彫刻家ビクトール・ティルグナーの傑作です。観光名所として知られる王宮や美術史美術館に至近でリンク通りに面しているので、像の足元のト音記号の花模様とセットで、観光の写真ポイントとして知られてます。

19世紀後半のウィーンはGruenderzeitと言われる現在のウィーンという都市の基礎が確定した時代でした。

現在の国立オペラ座は19世紀後半に直径1キロ程度の城壁を取り壊したときにその界隈に建造された帝国歌劇場です。それまではその城壁の直ぐ内側にケルンテン門劇場がありました。

詳細は、今では絶版の1997年出版「ウィーン観光詳細ガイドブック」に記しておきました。この本は40年間のウィーン生活からの引き上げ時に破棄してしまったのですが、手元に残った本の草稿一部はWebに無料公開してあります。

さて、そのカフェモーツアルトの名前の由来になったオリジナルのモーツアルト像の写真が、数テラバイトのバックアップファイルから出てきました。元画像はいつしかWebから消えてしまったようですが、消滅時に備えて保存しておいたものです。

ドイツ語の文献にはモーツアルト像のカフェと出ていても、どの位置にどちら向きに像が立っていたかという疑問の答えにはなりませんでした。しかし、この戦前の写真にはオリジナルのモーツアルト像の背後にカフェ・モーツアルトが写ってます。戦前の貴重な記録写真です。戦前の映画「第三の男」を観ると、脚立の上で窓拭きをしているところがカフェ・モーツアルト入り口です。

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